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脱ぶら下がり女子!働きママ震撼の「資生堂ショック」から見えること

“資生堂ショック”という言葉をご存じでしょうか? 女性に優しい企業と言われる資生堂が行った“ある改革”が与えたショックは、今も議論を巻き起こしています。

資生堂CSRレポートによると、資生堂グループの2014年度の結婚・出産・育児理由の離職率は、なんと0%。資生堂販売株式会社でも1%と驚異的な低さを誇っています。

厚生労働省の「出生児縦断調査」によれば、出産1年前から出産半年後までに、半数近くのママが正社員やパートを辞めていますから、資生堂の数字がいかにすごいかおわかり頂けるのでは?

その資生堂が、子育て中のママ社員にも他の社員と平等なシフトやノルマを与えるという方針転換をし、“資生堂ショック”と報じられているのです。さて、そのメリットと、懸念されるデメリットとは?

 

■マミートラックに乗っかり“ぶら下がり”と言われる現実

「あ~あ、ママってだけで定時に帰れていいよね。どうせ私たちにシワ寄せがくるんだから」と散々グチっていた女性社員に子どもができ、「やっとママ社員の後ろめたい気持ちがわかった」とこぼしている……というのは、筆者の知人の働くママ談。

ママ社員の中には時短勤務や、看護休暇といった制度を活用しつつ、これまでの働き方を変えて“マミートラック”と呼ばれる家庭生活に重きをおく働き方を選ぶ社員が多くいます。

なぜなら、残業・出張が当たり前の部署では家庭生活がまわらなくなってしまうこともあるからです。

結局、出世願望ややりがいのある仕事を手放し、残業を抱える社員から“制度にぶら下がっている”と見られてしまうこともあるのです。

 

■マミートラックを作らない! 資生堂の気概

『「育休世代」のジレンマ』の著者、女性活用ジャーナリストの中野円佳さんは、

<マミートラックにはまると、長期的に昇進・昇給に大きく差がついていくことが予想される。しかしそれだけではない。より重要なのは「やりがい」だろう>

と述べ、“マミートラックに塩漬け”という表現を用いています。

確かに新鮮な食材を塩漬けすると水分が抜けてしまい、塩抜きにも手間がかかります。せっかくの新鮮な素材だったのになんともったいない……。

だったら、「マミートラックを敷くのをやめてしまえ!」というのが、資生堂の方針転換です。

ママ社員も残業してもらう、ノルマを課す、デキる人は出世もさせ、やりがいも感じてもらう。そうすれば「ぶら下がり」なんてグチる社員もいなくなる。

なんだかメリットだらけにも聞こえますが……。

 

■資生堂の策を突然真似するとNGな理由

とはいえ、資生堂の方針は、「それならうちの企業でも取り入れよう!」と突然真似できるものではありません。

夫が協力的、近所にサポートしてくれる家族がいる、といったケースを除き、やはり残業や夜勤を当たり前とする成果主義は、ママだけでなく子どもの生活リズムにもかなりの負担がかかるからです。

資生堂では、協力者がいない場合はベビーシッターの補助を出すほか、地域の子育てサービスを活用するようアドバイスしているといいます。

さらには“カンガルースタッフ”と呼ばれる育児中の社員をサポートするスタッフも在籍しており、離職率の低さの理由もこういったきめ細やかなサポート体制にあってこそでしょう。

また、「それでも続ける?知っておきたい“長時間勤務があなたに与える影響”」でお伝えしたように、効率的に質の高い仕事が評価される組織作りも欠かせません。

 

以上、“資生堂ショック”を起こした、新たな施策についてお届けしましたが、いかがでしょうか?

“ママかママじゃないか”だけでなく、組織は多様性に富んでいるはず。“親の介護が始まった中堅男性”“更年期障害で働くのがツラい50代女性”“シングルマザーで頼れる人がいない社員”“生理痛で夜も眠れない女子社員”“子どもを授かりたい派遣社員”など、じつはいろんな事情を抱えた社員は多いのでは?

正社員のママが保護されてきた現在の制度にメスを入れた資生堂の施策。ほかの企業がどのように追随していくのか、今後注目していく必要があるでしょう。

 

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