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終身保険は魅力ナシ、医療保険は入らなくて良い——意外と知らない保険の中身とは?

この記事は横川由理氏と長尾義弘氏の監修による『別冊宝島2620号「生命保険 実名ランキング!」』(宝島社)の内容を抜粋したものになります。

・『別冊宝島2620号「生命保険 実名ランキング!」』シリーズ
(1)営業員、ネット、来店型——保険はどこでいくら入るのが正解?
(2)終身保険は魅力ナシ、医療保険は入らなくて良い——意外と知らない保険の中身とは?

保険に入りすぎている家庭が多い

毎月引き落とされる保険料。

必要だとは思うけれど、「本当にこの保険でよいのか」「もっと安くならないものか」と思い悩んでしまいます。

でも、保険を見直そうと思って調べ始めると、たくさんの保険があって、さらに混乱してしまいがち。

つい、面倒になって「今度、考えよう」と、先送りにするケースが多いものです。しかし、これでは何も解決しません。

保険の種類を知って賢く備えましょう。

ここでは、保険の種類について説明していきます。

一生涯にわたって保障が続く死亡保険「終身保険」

一家の大黒柱にもしものことがあったら……。そんな事態に備えるのが死亡保険。終身保険は代表的な死亡保険です。

・終身保険に貯蓄性を期待するのは無理な時代

終身保険はその名のとおり、一生涯の保障がある死亡保険です。死亡すれば保険金が出るしくみとなっています。必ず受け取れるため、掛け捨て型に比べて保険料は高くなります。

貯蓄性を備えていることが特徴ですが、低金利の現在は貯蓄商品としてのメリットはありません。国内大手保険会社の終身保険は払い込みが満了したとき、支払った保険料の総額を死亡保険金が下回る商品があります。いわゆる元本割れを起こすので、注意が必要です。

一方、低解約返戻金型の終身保険もあります。保険料を支払っている間は、解約返戻金が通常の約7割に設定されるタイプです。

そのため、途中で解約をすると大きく元本割れしますが、その分保険料は安くなっています。保険料の払い込みが満了すると、解約返戻金は通常に戻ります。

とはいえ、低金利時代ですから、それほどお得とはいえません。会社員や公務員には、遺族厚生年金があります。生涯にわたって受け取れます。要保障額を考える場合は、受け取れる金額も考慮しましょう。

・積立利率変動型、変額、外貨建て…いろいろあるけれど

低金利や保険料の値上げなどによって、特に円建ての終身保険は魅力が乏しくなりました。かわりに注目され始めたのが、積立利率変動型、変額保険、外貨建て保険などです。

imageTitle (画像=書籍より)

一般的な終身保険は固定金利です。

それに対して、積立利率変動型は「最低保証金利を設定したうえで、変動金利で運用します」という商品です。金利が上昇するとメリットが出ますが、現状では最低保証金利の状態が続いています。

変額保険は保険会社が運用するのではなく、契約者自身が株式投資信託などの運用する商品を決定します。

外貨建て保険は外貨で運用する商品で、為替の変動リスクがあります。いずれにしても、保険と貯蓄は分けて考えたほうが合理的です。

払込方法で、終身払いを選んでいる人もいるでしょう。人生100年時代といわれる長寿社会ですから、保険金より払い込む保険料が多くなる可能性は高いといえます。

その場合、払込免除特約をつけておくと、指定の要件に該当すると、保険料は払ったことになり、解約返戻金がアップする商品もあります。

全般的に終身保険の魅力はなくなっていますが、ひとつメリットが。相続税対策としては節税効果がありますので、相続税が気になるときには役に立つ保険だといえるでしょう。

高額の保障は期間限定で準備する「定期保険」

掛け捨て型保険の代表選手で、しくみは非常にシンプル。期間を区切って大きな保障がほしいときに役立つ保険です。

安い保険料で大きな保障を得たいときにピッタリ

保障を一定期間に限定した死亡保険です。少ない保険料で大きな保障を得られる、掛け捨て型の代表格だといえます(返戻金があるタイプもあります)。

たとえば、子育て期間中だけ高額な保障がほしいといった場合に、たいへん役立ちます。10年更新型であれば、10年が経つと更新時期を迎えます。自動更新なら、医師の診査や告知は必要ありません。ただ、更新時の年齢によって、保険料は上がります。ときには倍に跳ね上がることもあるので注意してください。

最近はリスク細分型が増えています。喫煙の有無、血圧、BMIなど健康状態に応じて、保険料が割り引かれます。非喫煙者で健康な人はリスク細分型を利用するといいでしょう。

定期保険は死亡したらいくらの保険金を受け取るといったように、しくみは非常にシンプルです。ですから、単純に保険料が安い商品を選ぶのが正解です。

保険料が割安な「収入保障保険」

収入保障保険も、一定期間の死亡を保障します。定期保険との違いは、保険金を一気に受け取るのではなく、毎月受け取るスタイルになっていることです。

また、時間とともに保険金の金額が減っていく点も特徴です。こんなしくみになっているため、定期保険よりも保険料は割安になっています。

収入保障保険は子育て世代にとって、合理的な保険です。子どもが小さいうちは、小学校・中学校・高校・大学と、先々に高額なお金が必要になります。しかし、高校生になっていれば、あとは大学だけ。つまり、子どもが成長するにつれて、必要なお金は減っていくのです。定期保険より無駄が少ないといえるでしょう。

現役世代もリタイア世代も関心が高い「医療保険」

入院したときの治療費を心配する人は多いようで、医療保険は最も人気が高いジャンルです。しかし、その実態は?

・医療費の自己負担は意外と小さい

医療保険は病気やケガで入院をしたときに、医療費を補填するものです。入院日数の平均は31.9日です。しかし、これは全年齢を対象としています。

75歳以上の平均入院日数が47.6日であるのに対して、15~34歳の平均は12日です。別のデータによれば、約45%が1週間以内に退院しています。

一方、ここ数年は入院にかかる自己負担額が少しずつ上がっています。ただ、医療保険の必要性はそれほど高くありません。なぜなら、日本には優れた健康保険制度があるからです。

健康保険を使えば、自己負担は3割です。たとえ100万円の医療費がかかったとしても、窓口で払う金額は約30万円。

さらに、高額療養費制度も活用できますから、一般的な所得の人なら月額は9万円程度となります。

差額ベッド代や食費、パジャマ代は別途必要になりますが、1週間くらいの入院であれば20万円もかからないでしょう。

・給付金で喜ぶ前に払った保険料を考えて

では、毎月3000円の保険料を払って、入院日額5000円の医療保険に入っていたらどうなるでしょう。

1週間の入院だと、3万5000円の給付があります。ちょっと得した気分になりますが、保険料を考えてください。

1年間に払った保険料は3万6000円で、1週間の給付金とトントンです。加入年数が長ければ、保険料のほうが高くつくわけです。

長期入院となれば医療費もかさみます。しかし、1年間に3回以上、高額療養費に該当すると自己負担額が引き下げられます。一般的な所得の人は、およそ4万円で大丈夫なのです。

医療保険には入院限度日数が設けられています。現在は60日型が主流で、それを越えた分の給付はありません。

また、同じ病気で入院した場合は、180日以上の間があいていないと1入院と見なされます。つまり、長期入院にも対応できないのです。

(画像=書籍より)

そう考えると、医療保険に加入するより、貯蓄をベースに考えたほうがいいのではないでしょうか。

それから、所得税と住民税には医療費控除もあります。1年間で治療費が10万円以上かかった場合、税金が安くなるのです。

この10万円は世帯全員の治療費を合算できますので、ぜひ活用してください。

がんとどう向き合うかで選択は変わる「がん保険」

がんの治療法は日進月歩です。そんな医療現場の進歩に合わせて、がん保険の保障内容も変わってきました。

・要注意!すべてのがんが対象ではない

がん保険は医療保険の一種で、がんに特化した保険です。

これまでは「がん診断給付金+入院給付金+特約」が一般的でしたが、最近はさまざまなタイプが登場しています。

以前は、がん=入院というイメージがありました。しかし、放射線治療や抗がん剤治療など治療の選択肢が増え、入院日数は減っています。

医療技術の進歩に伴い、がん保険の内容も変化してきました。がん診断一時金に重点を置いたタイプや、抗がん剤治療を重視したタイプ、自由診療に対応したタイプなど多種多様です。

ここでひとつ注意したいポイントがあります。すべてのがんに、診断一時金が出るとは限りません。

がんには、悪性新生物と上皮内新生物の2種類があります。

上皮内新生物だと、給付金の対象から外れていたり、給付金が半額になったりする場合もあるのです。上皮内新生物は患部を切除すれば再発の可能性が低く、治療費もさほどかさみません。給付金が出ないとガッカリするより、早期発見を喜ぶべきでしょう。

・保険診療なら自己負担は3割

がんという病気には、いろいろ誤解もあるようです。

部位にもよりますが、すべてが死に直結するわけではなく、5年相対生存率の平均は62.1%です。

また、特別に高い治療費がかかることもありません。自己負担は3割ですし、高額療養費も使えます。

それよりも、治療のために仕事を辞めたり休職をして、収入が減るリスクのほうが問題でしょう。

(画像=書籍より)

そうした心配を払拭するために、診断一時金、抗がん剤治療給付金、就業不能給付金などが役に立つのです。

ところで、一般的な治療を受けているなら自己負担は同じなのですが、先進医療を選んだ場合は話が別。先進医療は全額が自己負担になります。

300万円くらいが必要という高額な治療ですが、実際に受けている人はわずかです。

ただ、他にも健康保険で対応していない治療法(免疫療法、ゲノム療法など)もあります。これらは自由診療となり、全額が自己負担になります。そんな自由診療に対応した保険もあります。

どこに保障の重点を置くかによって、選択は変わってきます。

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横川由理(よこかわ・ゆり)
FPエージェンシー代表、CFP®、証券アナリスト、MBA(会計&ファイナンス)、千葉商科大学大学院客員准教授。お金の知識を広めることをライフワークとして、マネー講座、執筆などを中心に幅広く活動している。著書に『別冊宝島1890 50歳から役に立つ「お金のマル得術」』『老後にいくら必要か?』『別冊宝島2029 アベノミクスで変わる「暮らしのお金」の○と×』(すべて宝島社)、『改訂版 保険 こう選ぶのが正解!』(実務教育出版)など多数。

長尾義弘(ながお・よしひろ)
AFP、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会会員。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆活動を行っている。著書に『コワ〜い保険の話』(宝島社)、『お金に困らなくなる黄金の法則』『保険払いすぎ見直しBOOK』『最新版 保険はこの5つから選びなさい』(すべて河出書房新社)など多数。