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日本橋三越リニューアル!新たな道を歩む「三越伊勢丹」と「高島屋」は変われるか

9月25日、東京・日本橋に「日本橋高島屋S.C.」が誕生しました。

街には高島屋のお洒落な紙袋を下げた人々が行き交い、これまで銀座にあふれていた外国人観光客の姿も増えています。10月初旬の中国の大型連休(国慶節:10月1日ー7日)には、さらなるにぎわいを見せていました。

今回は何かと話題の三越伊勢丹ホールディングスと高島屋をご紹介しましょう。

富裕層に強い「三越伊勢丹ホールディングス」

三越伊勢丹ホールディングス<3099>は2008年4月に三越と伊勢丹が経営統合し誕生した持ち株会社です。

富裕層に強い三越、富裕層だけでなくファッションも得意とする伊勢丹。

主力は百貨店業で、連結売上高の9割を占めます。伊勢丹新宿店、日本橋三越本店、銀座三越が3大旗艦店です。

そのほか、クレジット・金融・友の会業、不動産業などを展開しています。

●今後の戦略は?

同社は現在構造改革の真っ最中で、不採算店の整理に力を注いでいます。

2017年には三越千葉店(千葉市)や三越多摩センター(東京都多摩市)、2018年には伊勢丹松戸店(千葉県松戸市)が閉店しました。

同時に、高級スーパー「クイーンズ伊勢丹」運営会社の株式の売却、大規模な早期退職の募集など不採算事業の整理にも乗り出しています。

一方で、百貨店事業は、再強化する構えです。

日本橋三越店は段階的に改装中で、10月24日に第1期改装部分をオープンします。

新館1階の高級品ブランドや本館1階の訪日観光客に人気の化粧品・雑貨の売り場を改装。

各階に顧客が無料で相談できるコーナーを設置、コンシェルジュを配置し、おもてなしのスペシャリティーストアとして収益向上を目指します。

事業構造改革を徹底し、収益体質を強化した上で、本来の百貨店事業で利益拡大を図る戦略です。

●今期の業績

2019年3月期の会社予想は売上高1兆1950億円(前期比▲4.9%)、営業利益290億円(同+18.8%)、純利益130億円です。

構造改革による人件費減や宣伝費の減少で、大幅増益を見込んでいます。

●三越伊勢丹ホールディングスの今後はどうなる?

同社の株価は2015年7月につけた2395円をピークに、2016年には一時885円まで下落、その後は1100〜1500円辺りを上下しています。

今後、株価がさらに上昇するには、さらなる構造改革の進展と、具体的な成長戦略が欠かせません。

9月26日には、伊勢丹相模原店、伊勢丹府中店、新潟三越3店の閉店を発表し、構造改革への徹底姿勢をみせています。

一方、成長戦略としては、2020年までに200億円以上の投資をしてEC事業を拡大する計画ですが、まだ具体的な取り組みは明らかにされていないのが現状です。

老舗百貨店といえば「高島屋」

高島屋<8233>は、1831年(天保2年)創業の老舗百貨店です。

同社は百貨店業界でトップクラス。国内では19店舗を運営し、日本橋(東京)、横浜、難波(大阪)が三大旗艦店です。

中でも難波店は関西国際空港と鉄道一本で直結というアクセスの良さで訪日外国人の需要を取り込み、グループ内でも売上高トップとなっています。

海外もシンガポール、上海、ホーチミン、に出店しています。そのほか、不動産事業や金融、建装事業なども展開しています。

●今後の戦略は?

今秋、東京・日本橋に都市型ショッピングセンター「日本橋高島屋S.C.」をオープンしました。

日本橋店の隣の高層タワーの地下1階〜地上7階を「新館」として、本館(既存の日本橋店)、東館、ウォッチメゾンの4館を一つにして運営します。

「オフィスワーカーや東京湾岸のニューファミリーなど世代を問わずに幅広い層の顧客に楽しんでいただける施設」との木本社長の言葉通り、主力のファッションではなく”食”を前面に打ち出し、全体の4割を食のテナントが占めています。

なかには、朝7時30分から開店し、夜11時に閉店する店もあります。

また、「TOMORROWLAND」など人気ファッションブランドや、女性専用ヨガサロンなども誘致し、話題性はバツグンです。

同社の主要顧客はこれまで50歳以上のシニア層でしたが、20〜40代の若い層の取り込みを狙っています。

日本橋の景色をも変えてしまったこのプロジェクトは、高島屋の「脱・百貨店」の象徴とも言えます。

これまでの百貨店は、売り場で商品を販売して収益を得る形が主でした。

ところが、主力のアパレルの低迷により、テナントを誘致しその賃料で安定した収入が見込める不動産事業を強化する動きが業界全体で加速しています。

高島屋も不動産事業の割合を高めており、2017年2月期の不動産事業は、全体の営業益のうち3割強を占めるまでになりました。さらに、日本橋高島屋S.C.の開業によって賃料収入を増やし、収益力の向上を目指す戦略です。

●今期の業績

高島屋は10月12日に2019年2月期の連結経常利益を従来予想の335億円から350億円に上方修正しました。足元でインバウンド需要や国内消費が想定より好調に推移していることを反映しています。 営業収益は9190→9270億円(+2.1%)、営業利益300→310億円(▲12.2%)、経常利益は335→350億円(▲9.3%)、純利益が185→205(▲13.4%)にそれぞれ上方修正しています。

今期は、インバウンドによる売上好調と国内消費堅調は続くと見込んでいるものの、日本橋高島屋S.C.やタイ・バンコクの「サイアム高島屋」などの開業コストなど、先行投資費用により減益としています。

2018年度は成長戦略の足場固めの年とし、2019年度は再び回復軌道へ乗せ成長を加速する、という計画です。

●高島屋の今後はどうなる?

高島屋の株価は2018年1月につけた2426円(株式分割調整後の株価で算出)が高値で、その後は1700〜2000円辺りで上がったり下がったりを繰り返しての推移となっています。

同社のさらなる株価成長には、やはり収益力の向上が欠かせず、それには日本橋高島屋S.C.が成功するかどうかにかかっていると言えます。

日本橋から再スタート?2つの企業から目が離せない

両社の9月の既存店売上高(速報)は台風や地震の影響で前年同月の実績を下回りました。

インバウンドによる免税売上高も減少、ただ「足元の客足は回復している」という声もあり、一過性かどうか今後も注視が必要です。

「2020年までにもっとも変化する街の一つ」と言われる日本橋で、高島屋は新都市型ショッピングセンターとなり、三越はコンシェルジュサービスをスタートさせます。

全く別の道を進む両社ですが、結果を出すのはどちらなのか。日本橋の街の成長とともに、動向を見守っていきたいですね。