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やる気のない人より厄介な「不満をまき散らかす無気力社員」その理由は?

朝の2時間は自宅で勤務して、満員電車を避けて出社したい。子どもが熱を出したからその日だけ自宅勤務に切り替えたい。本当はそういう働き方もできるはずなのに、毎朝満員電車に乗って会社に行くことが“仕事”だと思っていませんか?

2018年11月27日、鎌倉芸術館小ホール(神奈川県鎌倉市)で鎌倉市内にてテレワークを推進する「鎌倉テレワーク・ライフスタイル研究会」の発足式が行われました。この式にはユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社で取締役人事総務本部長を務める島田由香さんが登壇。同社で取り組む人事制度「WAA(Work from Anywhere and Anytime)」について講演を行いました。WAAが変える日本の働き方とは——? 講演の一部を編集してお届けします。

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決まった時間に会社に行かないといけないという思い込み

スライドに表示された満員電車の画像を指差し、島田さんは「これ、毎朝やっている人はどのくらいいらっしゃいますか? ……止めましょう!」と会場に呼びかけます。

「とはいえ、簡単には止められないと思っていますよね? でも、まずそこがチャンスなんです。私は、満員電車や通勤でクタクタになることを否定しているわけではありません。『決まった時間に会社に行かなきゃいけないと思っている』という思い込みを持ち続けていることに対して否定の気持ちがあるのです。

今日、この後のパネルディスカッションに登壇するみなさんは、『いかにして会社に行かなくても働けるようにするか』を考えて、そして実行しています。その結果何が起こっているか。人生が豊かになっています」

周りのやる気を削ぐ『不満を撒き散らす無気力社員』

そして、裏アジェンダとして「通勤ラッシュ撲滅」を目指しているというユニリーバの人事制度「WAA(ワー)」の紹介へ。

「WAAは『Work from Anywhere and Anytime』の頭文字を取ったものです。通勤時間をフレキシブルにする制度は、もう取り入れられているところもありますよね。けれど、ピークタイムが変わるだけという側面もあります。これに対して、私は場所の差も必要になると思っているのです。つまり、Anywhere。仕事は『会社でなければできない』と思うことも、思い込みなのです。会社以外の多くの場所で、テレワークについての良い結果も出ているのですから」

さらに島田さんは、世論調査やコンサルティングを行う、ギャラップの調査結果を用いて日本の現状を指摘します。

「満員電車に毎朝乗り、そこでエネルギーを使って、一生懸命がむしゃらに働いたとしても、私たち日本の労働生産性は他国に比べて低い状態です。私はここを何とかしたいと思っています。

ギャラップの結果によると、日本はやる気に満ちあふれた、熱意あふれる社員の率が非常に少ない。特徴的なのは、24%とある『不満を撒き散らす無気力社員』の多さです。私は「やる気のない社員」だけだったらまだ良いと思っています。“まだ”と言う理由は不満を撒き散らされると、周囲にネガティブを与えて、せっかく何かしようと思っている人のやる気までも削がれてしまいます。そんな状態でがむしゃらに働いても、生産性が上がらないのは当然ではないでしょうか」

島田さんは同じくギャラップの調査結果から、熱意あふれる社員の生産性についても言及します。

「熱意あふれる社員は、そうではない社員と比べて利益性が22%も高く、生産性においては21%高いという結果もあります」

心身ともに健康でワクワクしているか

熱意があふれるタイミングについて、島田さんは2つのことが鍵になると話をします。

「ひとつは『ワクワクしている』『楽しいと思っている』という状態になること、そしてもうひとつは『心身ともに満たされて健康である』ということです。この条件がそろった時に熱意があふれてくるはず。言い換えると、『ハッピー、しあわせ、豊かだな』と感じられている時です」

そのような状態でいるとどんなことがあるのか、カリフォルニア州立大学の心理学教授、ソニア・リュボミルスキーさんの調査結果を用いて島田さんは次のように説明します。

「幸せな人はそうではない人より生産性は30%高く、営業成績は37%、創造性・クリエイティビティーに関しては3倍高い。私たちは最近『オープンイノベーション』という言葉を耳にする機会が増えましたが、イノベーションにアイデアは絶対に必要なもの。『アイデア=クリエイティビティー・創造性』とも言えます。

(このようにアイデアが出てくる時、人は)やはりワクワクしていると思います。こういった好循環ができるような毎日を、私もぜひ東京から作っていきたいと思っています」

■鎌倉テレワーク・ライフスタイル研究会とは?
都内等への通勤を減らし、鎌倉でテレワークを行うワークスタイルの普及やテレワークに関する情報発信・勉強会の開催などを行っている。
FBページ:https://www.facebook.com/kamakuraworker/

後編は2月9日(土)公開予定です。
(構成:ウートピ編集部 安次富陽子)