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【体験記】老舗ニューハーフバーに女性の私が行ってみた結果…嫌味の中に忍ばせる優しさとおもてなしに感動した話

現在30代のわたしがまだ20代だった頃、仕事のおつきあいで銀座の老舗ニューハーフバーに連れていってもらったことがあります。

ネオン街に燦然ときらめく、大人の社交場。夜の蝶がひらりひらりと飛び回るこの場所に漠然と憧れを抱いてはいたけれど、20歳そこそこの小娘が足を踏み入れるにはちょっと、いやかなり、敷居が高い。そして値段も高そう……。

行きたい、でも行けない。そんなジレンマを抱えていたわたしにとってこれは、願ってもないチャンス! 食い気味で「行きます行きます!」と返事をし、50代オーバーのおじさまたちのお供をすることになったのでした。

【常連さんのお供で、いざ銀座へ出陣!】

お店に出向いたメンバーは、当時飲食店で働いていたわたし(20代前半)、その店のオーナー(女性・30代前半、超美人)、店常連の社長(男性・50代前半、めちゃいい人)、社長のお友達(男性・60代、大学教授)の合計4名。

わたしにとっては初めての、ニューハーフのお姉さんたちがいるお店。社長の馴染みの “お姉さん” が働いているそうで、社長いわく「どの子も強烈だけどビックリしないでね☆」とのことでした。……正直、ちょっと腰が引ける~~~!!

【扉を開けるまで、ちょっぴり怖かった】

“お姉さん方” は果たして、女性であるわたしを受け入れてくれるのか。テレビなどで見るかぎりでは女性に手厳しい印象があるけれど、人間として扱ってくれるのだろうか……。

期待半分、不安半分。高鳴り続ける胸をなんとか抑え扉を開けると……そこで待っていたのは、ド迫力の面々でした。

【想像の1000倍くらいキャラが濃い】

唯一のママさんは30代と若く、はるな愛さん似の美女だったのですが、ほかのメンバーはというと……「真っ赤なドレスと大きな背中がトレードマーク、たぶん昔はかなり美人」なお姉さん。「美空ひばり似、お顔が時代劇俳優ばりに大きめ」なお姉さん。

さらには「『チャンスボトル入りま~す!』と野太い声でじゃんじゃんボトルを飲み干す」お姉さんなどなど、パンチが強すぎるったらありゃしない。

平均年齢はかなり高く、還暦オーバーのお姉さんたちも少なくありません。社長、たしかに強烈キャラばかりですね……!!(でもかなり楽しい)

なお社長の馴染みのお姉さんは、真っ赤なドレスのお姉さんです。年齢は「もうすぐ60歳」らしく、名前は和子さん(本名・和夫*仮名です)。あいさつ代わりに「わたしの乳首、ピンク色で綺麗なのよ~」と自慢のバストをこっそり見せてくれるという大サービスぶりでした。

【素晴らしい「おもてなし」に感激しっぱなし!】

入店してからしばらくは、お姉さん方の圧と勢いにしばらく気おされていたわたし。でも、落ち着いてくると色んな事が見えてきます。

「あ~、女はくさいくさい!」と笑顔で嫌味を言いながらも、ソファに座るわたしのスカートの中が見えないよう膝に布をかけてくれたママ。「チャンスボトル~!」と言いながらガンガン飲みまくるお姉さんは、つられてハイペースでお酒を飲むわたしを気づかい、「ソフトドリンクにしとく?」とちょいちょい話しかけてくれます。

【「人に応じて接客を変える」プロの技を目の当たりに】

社長や大学教授といったいつも来店している “ごひいきさん” を手厚くもてなしながらも、わたしと女性オーナーも飽きることのないようきっちり気を配ってくれている……その心づかいに感動。

もちろんわたしたちが “大切なお客様の連れ” ということもあるのでしょうが、むしろ男性ゲストよりも女性ゲストにたくさん話しかけ、楽しませてくれたんですよね。

しかもちゃんと客の資質のようなものを見ているのでしょう。まだ経験不足で嫌味な言葉を「冗談」と流せないわたしにはひたすら優しく、百戦錬磨で嫌味を軽~くいなすどころか100倍返ししちゃう女性オーナーのことは手厳しくイジっておりまして、観察眼の鋭さに感銘を受けました。

【女性も気持ちよく過ごせる場所だと思いました】

こうして大いに笑い、楽しんだわたしたちは、午前2時過ぎに気持ちよく銀座の街を後にしたのでした。あのお姉さんたち、今も現役でお店に立っているのかなぁ?

その後何年かして、ニューハーフのお姉さんたちがいる新宿のお店に行ったときも、常連の男性よりも “その連れ” である女性のほう(わたしのことです)を手厚くもてなし、大いに持ち上げてくれたお姉さんたち。

そういえば、かつて男性のお供でキャバクラに足を踏み入れたときも、男性客より女性客を気づかってくれた印象がありました。大切なお客さんの大切な人だから、大切にする。あるいは男性が楽しむように作られた場だからこそ、女性もちゃんと楽しめるように心をくだく。それは当たり前といえば当たり前なのかもしれないけれど、懐の深さを感じさせてくれるおもてなしを体験できたことは間違いありません。

足を踏み入れるのはちょっぴり勇気がいるかもしれないけれど、いざ入ってみたら、男性だけでなく女性も楽しめるところでした! 「キャバクラにお供」体験の話は、また別の機会にでも~☆

イラスト:Pouch
執筆=田端あんじ (c)Pouch