冷たいものを食べたり飲んだりしたとき、キーンと歯がしみてしまう“知覚過敏”。

水道水の温度も下がるこの時期は「ぬるま湯じゃないと、うがいできない!」という方も多いことでしょう。

可能であれば、このツライ症状なんて味わいたくはないものですよね。そこで今回は、歯科衛生士の筆者が、知覚過敏の基礎知識と、効果的な改善方法についてご紹介しましょう。

そもそも…どうして歯がしみるの?

歯の最表層にある“エナメル質”に冷たいものが触れても、痛みを感じることはほとんどありません。しかし歯肉が痩せるなどして、その内側の“象牙質”が露出してしまうと、知覚過敏が起こるリスクはグンと高くなります。

象牙質には“象牙細管”と呼ばれる細い管があり、歯の神経に通じています。本来ならば刺激から守ってくれるはずのエナメル質を失った“むき出しの象牙質”は、刺激が直に感知され、冷たいものを飲むとキーンとした鋭い痛みを感じてしまうというわけです。

知覚過敏を招く!歯がキーンとしみる原因4つ

ひとくちに“知覚過敏”といっても、その原因は様々。ここでは主な原因を4つご紹介しましょう。

(1)歯周病

歯周病が進行して歯肉が痩せると、歯の根面が露出します。歯の根面はエナメル質がなく、象牙質がむき出しの状態。冷たいものや温かいものなどの温度変化のほか、歯ブラシが触れるだけでも痛みを感じることがあります。

(2)歯をゴシゴシ強く磨く

ゴシゴシ磨かないと歯磨きをした気がしないという方は多いものですが、これは絶対にNGです。歯ブラシの力でエナメル質が削れてしまい、象牙質が露出します。歯磨きの目的はプラーク(歯垢)を落とすこと。ゴシゴシ磨きをしなくても、汚れは落ちます。歯磨きは365日、一生涯続けるものなので、習慣になっている方は注意してください。

(3)歯ぎしりや噛みしめ

日常的に歯を噛みしめることが多い方は、少しずつですが歯の表面がすり減り、象牙質が露出している可能性があります。

これは寝ている間に歯ぎしりや噛みしめをしている場合だけでなく、ハードなスポーツを日常的にする方、パソコンを長時間使う方など、歯を食いしばったりして酷使しがちな方についても、同様のケースが多いので注意が必要です。

(4)酸蝕歯

炭酸飲料をちょこちょこ飲んだり、酸っぱい食べ物を日常的に食べたり……。こうした酸性の食べ物や飲み物を頻繁に、かつ長時間摂取するような習慣がある方は要注意。エナメル質が溶け、象牙質は簡単に露出してしまいます。

知覚過敏を解決するセルフケア3つ

知覚過敏は正式には“象牙質知覚過敏症”といわれ、症状がつらい重度の場合には歯科医院で治療が必要です。しかし軽度であれば、自分で症状を改善させることも可能。

早速、自宅でできるセルフケアをご紹介しましょう。

(1)知覚過敏用の歯磨き粉を使う

“硝酸カリウム”や、“乳酸アルミニウム”という成分が含まれた歯磨き粉を継続して使うことで、歯の神経への刺激が遮断され、知覚過敏の改善が期待できます。

ただしゴシゴシと強く歯磨きをするのは厳禁。無意識に強く磨いてしまう方は、少しやわらかめの歯ブラシを使うのもオススメです。

(2)研磨剤無配合または低研磨の歯磨き粉を使う

プラークや着色汚れなどを効果的に落としてくれる“研磨剤”ですが、荒い粒子が配合されたものなどは歯そのものを傷付けてしまうことも。

すでに知覚過敏の症状がある方は、研磨剤が配合されていない“ジェルタイプ”の歯磨き粉や、“低研磨”と表記がある商品がオススメです。

(3)再石灰化を促す

むき出しになった象牙質は歯磨きの刺激でも痛みを感じやすくなりますが、磨き残しによってプラークが付着すると、細菌が出す酸が歯の表面を溶かし、その刺激を痛みとして感じるようになります。

フッ素やハイドロキシアパタイトなどのミネラル成分が配合された歯磨きを使い、歯そのものを強化するのも効果的。歯の神経へのバリア機能が強化され、痛みを感じにくくなります。

以上、知覚過敏の基礎知識と、効果的な改善方法についてご紹介しました。

それでも症状が改善しない場合には、薬剤を塗布したり、歯ぎしり用マウスピースを作って使用することで改善が期待できるでしょう。「知覚過敏じゃなくて虫歯だった!」というケースもあるので、心配な方は、かかりつけの歯科医院に相談してみてくださいね。