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中身はふっくら、唇でほどける!女将に習うおいしい「おむすび」の結び方

日本人のソウルフードともいえる「おむすび」。でも意外と正しく握れる人は少ないのでは? 日本伝統文化のお稽古教室と甘味屋「小苦樂(こくら)」(東京・目白)の女将である瓜生美行さんの「おむすび講座」に参加しました。

 

 

おむすび?おにぎり? 意外に古い歴史とは

「小苦樂」の女将、瓜生美行さん。

はじめに素朴な疑問をひとつ。みなさんは、「おむすび」と「おにぎり」どちらで呼びますか? 由来には諸説ありますが、瓜生さんは次のように説明してくれました。

「おむすびは関東の呼び方で、『古事記』にある『結びの神』に由来し、神と縁を結ぶという意味。一方おにぎりと呼ぶのは関西で、『鬼切り=禍(わざわい)を避ける』という意味からきています」。

どちらの呼び方にも「悪いことを避けて暮らしていきたい」という民衆の思いが込められているように感じられますね。

おむすびの歴史は古く、人の手でにぎられた米のかたまりは弥生時代の遺跡からも発掘されています。おむすびの直接の起源は、米のかたまりを鶏卵に例えた平安時代の「頓食(とんじき)」にあるといわれ、江戸時代にはおでかけ先で食べやすい海苔で巻くスタイルのおむすびも登場しました。

「江戸時代は歌舞伎や大衆演劇が盛んになった時代。そうした場所へでかけるときにおむすびを持っていったようです」(瓜生さん)。

 

 

おむすびのおいしさの秘密はお米の炊き方にもアリ!

おいしいごはんを炊くにはいくつかコツがある。

おいしいおむすびを作るには、まずは米をおいしく炊くことから。

「お米を炊くときは、水を気持ち少なめに。塩をひとつまみ入れるとお米がよく対流しておいしく炊けます。お米はあらかじめ水に最低30分、できれば2時間くらい浸しておきます。新米ならもう少し短くても構いません。浸しすぎると米粒の表面にヒビが入ってしまうので注意してください」(瓜生さん)。

米は必ずしも高級なものである必要はなく、生まれ育った地方の米や普段食べ慣れている米がおいしく感じやすいそう。また、米粒は乾燥した状態で水をかけるときに最も水を吸収するので、洗米時の最初の水はよいものを使うのがおすすめ。といっても水道水をろ過したものなどで十分とのことです。

 

 

ふっくらぎゅう♡おむすびの結び方を女将が伝授

結ぶときの指使いを女将が実演。

ごはんが炊けたら、早速おむすびを結びます。お米は炊き立てのアツアツのうちに握るのがおいしさの秘密だそうです。

「理想的なおむすびは、中身はふっくら。唇でほどける様子を想像してください。結んだあとお皿に立てておくと、沈んでいくくらいがよい加減です」(瓜生さん)。

ごはんは少なめ、手の中で「小さいかな?」と思うくらいがちょうどよいサイズ。この日は1つ約70グラムのおむすびを3つ作りました。コンビニなどの一般的なおむすびの約2つ分です。

握るのは手がベスト。型に入れたり、ラップに包んだりするとお米が圧迫されてしまい、ふっくら仕上がりません。

 

 

10回できれいな形にするのが大切。

まずは手を軽くぬらし、塩を軽くつまんで、中指の先から手首の手前までをすっとなでるように塩をつけます。次に手のひらにごはんをのせ、軽く塩を振ってもみ込み、まんべんなく塩味をつけるようにします。

「結ぶのは10回まで。親指を立てて中指と薬指を使い、空気をたくさん含むように結んでください。形は丸くぼてっとさせるより、薄めにしたほうが食べやすいし、料亭風の上品な見た目になります」(瓜生さん)。

1、2、3……。みんなで数えながら結んでみると10回は意外に少なく、なかなかきれいにまとまりません。それでも2つめ、3つめと数をこなすうちに慣れ、少しずつきれいな形になっていきました。

 

 

同じ量のお米を使うなら2つより3つがおいしい

「おむすび講座」にて。3種のおむすびと女将のおみおつけ、だし巻き卵付き。

この日の具は3種類。定番の塩と南高梅。それから、かつおだしとチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノ)と大葉を合わせたもの。3つめの具はチーズが少しとろけて、豊かな香りが食欲を誘います。ちなみに瓜生さんのイチオシはシンプルな塩むすび。ご当地塩などを使えば味のバリエーションも楽しめます。梅干しは種も入れておいたほうが傷みにくく、ほかに梅酢を使って握るのもいいそうです。

 

 

お盆の上にランチョンマットを敷いてSNS映えする写真撮影も楽しめる。

完成後は試食タイム。口の中でほろりとくずれる感じがたまりません。シンプルながら、ごちそう感たっぷりで、思わず笑みがこぼれます。

「通常のおむすびの2つ分ですが、お腹いっぱいになりますよね。実は同じ量のお米なら、2つより3つにしたほうがおいしく感じられるんですよ。ゆっくり食べているのもあるし、脳が絵的に3つ食べていると理解するのもあるようです」(瓜生さん)

ちなみにお弁当として持ち歩く場合は、ごはんが熱いままで密閉すると食中毒の原因になりかねないので、完全に冷ましてから包むとよいそうです。

「おむすびは食の基本だし、作り方は一度覚えたら一生使えるもの。恋人や家族、自分のお弁当など、ぜひいろいろなときに作ってみてください」(瓜生さん)。

女将と結ぶ、おむすび講座「ふっくら、ぎゅう♡よ」は月に1回のペース実施中。男性の参加も多いそうです。みなさんもおいしいおむすびを持って、どこかへおでかけしませんか。

 

 

<取材協力>小苦樂
東京都新宿区下落合3-21-5
TEL:03-6883-8623

 

小苦樂

 

 

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Photo:Kunio Kaneda
Text:Emiko Furuya